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20歳

『少女七竃と七人の可愛そうな大人』を読みました。言葉選びがとても素敵で繊細な物語でした。

 

美しいかんばせをもった少女七竃は、自分と同じ美しいかんばせをもった少年雪風と2人だけの閉鎖的な世界にいた。しかしその世界は、大人によって、また時間の流れによって綻びが生じてくる。

 

完成された少女が少女をやめるお話。

 

「少女」ってなんだろう、と、しばしば考える。

それは、優しく清らかで無邪気に笑う、純粋で純潔、時に残酷、大人しくて元気で快活でイタズラが大好き、甘いものが好きで正直者、泣き虫だけどめげない、まっすぐな瞳を持っていて人を信じることができて、強くて弱い、エトセトラエトセトラ、そんな要素を備えている女の子。あまりに抽象的な存在。そんな女の子、実際にはいない。物語に登場する少女は、私たちの理想で、幻想に過ぎない。もし現実世界に少女を見るなら、もしくは過去の自分を少女と言うなら、それはただ都合のいい要素だけを抜き出して、それを少女と見なしているだけなのです。裏を返せば、誰にでも少女の側面はあるということ。でも、完璧で完成された少女はいない。少なくともわたしは出会わなかった。

 

わたしは明日20歳になります。

今まで少女というまぼろしに夢みて生きていたけど、それももう終わり。でもきっと明日からは、「少女」のそれと同じように「大人」について考えて悩むのだろうなあ。

余命30分の19歳のわたし、倉橋由美子の『聖少女』を読んで過ごします。